ガス料金ゼロで取引可能を実現するZerionのL2チェーン「ZERO Network」
こんにちは、山口(ぐっさん)です。
最近のDevConでEthereum Name Service(ENS)が独自チェーン「NameChain」を発表しました。アプリケーションレイヤーが独自チェーンを展開するという動きが活発になってきています。
今回は、ウォレットやポートフォリオ管理ができるZerionが展開する独自チェーンZERO Networkについて書いていきます。
以前取り上げた「Abstract」もアプリケーションに特化している訳ではありませんが、Pudgy Penguinsのようなコンシューマーとの接点をもつチームが展開するという点においては類似した事例になります。
概要
ZerionのZERO Networkは、ガス料金ゼロで取引可能なエコシステムを展開していきます。ZKSync技術を活用した相互運用可能なチェーンElastic Chainの一部として構築されたこのネットワークは、DeFiユーザーにスムーズな取引体験を提供します。
ZERO Networkは、アカウント抽象化を導入しており、Web3の複雑さを取り除き、より多くのユーザーが気軽にブロックチェーン技術を利用できる環境を目指しています。
特徴と機能
アカウント抽象化によるユーザー体験の向上
ガス料金をゼロにする仕組みとしてスマートアカウントとPaymastersを組み合わせたアカウント抽象化(Account Abstraction)を採用しています。この仕組みにより、ユーザーはトランザクション時にガス料金を意識することなく操作が可能です。
Onchain DNAによるガス料金ゼロ
ZERO Networkでは、「Onchain DNA」と呼ばれる動的スコアリングシステムは、ユーザーの行動を分析し、ガス代が無料になるユーザーなのかを評価する仕組みを導入しています。Zerionのブログでは、BaseでのUniswapのスワップがくの60%以上が1ドル以下であることからスパムに対する防衛を講じながらエコシステムの構築を実現していく必要があると考えており、このOnchain DNAは過去のトランザクションからスパムかボットを判定し、人間を棲み分けガス代の無料化を実現することができるようになります。
Elastic ChainでのzkSyncとの連携
zkSync技術を基盤としたElastic Chainにより、スケーラビリティとセキュリティを両立しています。これにより、迅速で安全な取引が可能になります。Elastic ChainはzkSyncで独自チェーンを展開するフレームワークで、OP stackのSuperChainと比較して、相互運用性が高いことを強みとしています。
資金調達状況
Cooper Turley氏やSpencer Noon氏、Yearnのリード開発者Banteg氏、NBA選手のDuncan Robinson氏、Lido、Daylight、Celestia、ETHGlobal、OpenSeaなどのエンジェル投資家からの資金調達を発表していますが、資金調達額は発表されていません。
まとめ
ZerionのZERO Networkは、スムーズな取引体験と優れたユーザーフレンドリーな設計を実現するために、アカウント抽象化の導入やOnchain DNAという仕組みの導入を進めています。
様々なアプリケーションがチェーンを展開する中でZEROチェーンがどのようなエコシステムを展開していくのか今後の注目が集まりそうです。