Nexus Mutualのオンチェーン保険商品「Base DeFi Pass」
こんにちは。山口です。
さて、大統領選も終わり、トランプ氏が当選したことで暗号資産周りの規制が緩くなることが期待されています。こうなると本格的に投資家や事業者のお金が暗号資産に流れてきます。
しかし、ご存知の通り、クリプトには大量のリスクが存在します。そういったリスクに対しての「保険」を取り扱ったプロジェクトが今回紹介する「Base DeFi Pass」です。
Base DeFi Passの概要
OpenCover社によって開発され、Nexus Mutualがサポートする保険商品です。
Base上のAerodrome、Arcadia、Beefy、Compound v3、ExtraFi、Moonwell、Morpho、Overnight、Uniswap v3に暗号資産を預けている場合、以下のリスクに対して保険をかけることができます。
スマートコントラクトの悪用/ハッキング
重大なオラクルの失敗/操作
重大な清算の失敗
ガバナンス攻撃
保証金額についての算出方法
保険の補償となる金額はあらかじめ保険料として入れていたカバー金額と保険対象となるリスクにさらされた金額の比率に応じて決定します。
例えば、以下のようなシナリオがあります。
カバー金額:$150,000
リスクにさらされた金額:$200,000
損失を被った金額:$60,000
上記のような場合、保証される額は、
$60,000 ×($150,000 / $200,000)
となり、$45,000が保証されます。
プロトコルで損失を被った場合
実際に損失を被ったBase DeFi Passで保証されますが、14日間を要します。
損失イベントが発生した時点でDeFi Pass Coverを保有している場合は、損失証明と呼ばれる裏付けとなる証拠を添付して請求を提出できます。
プロセスにあるインシデントの詳細部分に、書面による詳細、裏付けとなる書類へのリンク、スクリーンショットやその他のファイルのアップロードします。
クレームが承認されると、24時間のクールダウン期間が経過した後、メニューからクレーム支払金を引き換えることができます。
Nexus Mutualのオンチェーン保険領域への投資
また、Nexus Mutualは、オンチェーン保険領域に対しての投資にも積極的で、先日オンチェーンで保険のブローカーを提供するNativeに対して主導で260万ドルのシード資金の投資を実施しており、Nexus Mutualのプールと接続することでキャパシティの拡大を目指しています。
Nativeはオンチェーンに関する商材だけでなく、知財やM&A、D&O保険(会社役員向けの保険商品)など従来の規制に関する保険も提供しています。Nativeではこれらの支払いをクリプトで支払い・受け取りが可能な仕組みを実装します。
まとめ
Base DeFi Passは、Nexus Mutualが提供するBase上での保険商品です。DeFiにおける様々なリスク管理の新しい選択肢を提供するサービスとして注目です。
また、Nexus MutualのバックアップするNativeは、既存のオンチェーン資産に対する保険のみならず、既存の保険商材を絡めることで、オンチェーンへの参入ハードルを下げることが期待されます。